ブラック企業の見分け方|求人票の危ないサインと、面接で聞くべき8つの質問
一度、しんどい職場で消耗した人は、次を選ぶときにこう思います。
「もう同じ思いはしたくない」
その気持ちは正しいです。
そして、それを避けるための方法は、ちゃんとあります。
運や勘の問題ではありません。
ただ、先に正直なことを書きます。
求人票だけで完全に見分けることはできません。
求人票は、会社が自分をよく見せるために書いたものだからです。
だから、この記事は2つに分けて説明します。
- 求人票から読み取れること(危ないサインの見方)
- 求人票では分からないので、面接で確認すること(そのまま使える質問文)
先に結論
・求人票の言葉より、数字を見てください
・「アットホーム」「風通しがいい」は、書こうと思えば誰でも書けます
・固定残業代は、必ず時間数を確認してください
・求人票で分からないことは、面接で聞けば教えてもらえます
まず、いちばん大事なこと|言葉ではなく数字を見る

求人票を読むとき、多くの人は言葉の印象で判断します。
「アットホームな職場です」
「風通しがよく、意見が言いやすい環境」
「若手が活躍しています」
「やりがいのある仕事です」
これらは、書こうと思えばどの会社でも書けます。
何かを保証するものではありません。
だから、判断の材料にはなりません。
代わりに見るべきは、数字です。
| こう書いてあったら | こう聞き換える |
|---|---|
| 風通しがいい | 辞めた人が、去年何人いましたか |
| アットホーム | 有給はどのくらい使えていますか |
| やりがいがある | 1日の流れを教えてください |
| 若手が活躍 | その職種の年齢構成はどうなっていますか |
| 未経験歓迎 | 未経験で入った人は、何ヶ月研修がありますか |
| 頑張りが評価される | 昇給は何を基準に決まりますか |
左側は印象、右側は事実です。
そして、事実は聞けば分かります。
求人票で、まず確認する5つの数字

言葉を読み飛ばして、次の5つだけ先に見てください。
① 給料の「内訳」
いちばん見落とされやすいところです。
「月給25万円」と書いてあっても、その中に固定残業代(みなし残業代)が含まれていることがあります。
たとえば「月給25万円(固定残業代45時間分・6万円を含む)」だった場合、実際の基本給は19万円です。
そして、45時間分の残業をしても、追加の残業代は出ません。
確認すべきは、次の3つです。
- 固定残業代が含まれているか
- 含まれているなら、何時間分か
- その時間を超えたら、別途支払われるか
固定残業代を採用する場合、その金額や時間数などを求人に明示することが求められています。
書かれていない、または曖昧な場合は、必ず確認してください。
時間数の目安として、40時間、45時間といった数字が書かれている場合は、その時間の残業が前提になっている可能性があります。
「残業はほとんどありません」と書いてあるのに固定残業代が45時間分ついている——これは矛盾しています。
② 年間休日の日数
数字がはっきり出るので、比較しやすい項目です。
完全週休二日制で祝日も休みなら、年間120日前後になります。
そこから大きく少ない場合、休みが取りにくい可能性があります。
そして、「週休二日制」と「完全週休二日制」は意味が違います。
- 完全週休二日制:毎週2日の休みがある
- 週休二日制:月に1回以上、2日休みの週があるという意味。毎週2日とは限りません
この違いを知らずに入って、「思っていたより休みが少ない」となるケースがあります。
③ 残業時間の記載
「残業月20時間程度」と書いてあれば、目安になります。
書かれていない場合は、面接で必ず聞いてください。
そして、平均と実態は違います。
「平均20時間」でも、忙しい部署だけ80時間ということがあります。
自分が配属される部署の数字を聞くのが確実です。
④ 募集人数と、募集の頻度
募集人数が多すぎる場合は、理由を確認してください。
事業を広げているから、という健全な理由もあります。
一方で、辞める人が多いから常に募集している、というケースもあります。
見分け方は簡単です。
同じ会社の同じ職種の求人を、以前も見た記憶がないか。
転職サイトで検索して、ずっと出ているようなら、理由を聞く価値があります。
⑤ 設立年と、社員数
創業したばかりの会社が悪いわけではありません。
ただ、社員数に対して求人が多すぎる場合は注意です。
たとえば社員30人の会社が、常時10人募集している。
これは、入れ替わりが激しい可能性があります。
気をつけたい言い回し

数字ではありませんが、繰り返し出てくると気になる表現があります。
- 「若い会社です」「平均年齢が若い」
- 成長中で若手が多い、という良い意味の場合もあります。
- ただ、長く働いている人がいないから平均年齢が若い、という場合もあります。
- 平均勤続年数を聞くと、どちらか分かります。
- 「実力主義」「頑張りが評価される」
- 評価の基準がはっきりしているなら良いことです。
- ただ、基準が曖昧なまま「実力主義」と言う会社もあります。
- 昇給が何で決まるのかを聞いてください。
- 「家族のような職場」「一緒に成長できる仲間」
- 人間関係の距離が近いということでもあります。
- 距離の近さが心地よい人もいれば、負担な人もいます。
- 前の職場で人間関係に消耗したなら、この表現は注意して見てください。
- 「未経験でも安心」「充実の研修制度」
- 研修の中身を確認してください。
- 何日間なのか、誰が教えるのか、その後のフォローがあるのか。
- 「研修あり」とだけ書かれていて中身が説明できない場合、実態は現場に放り込まれるだけということがあります。
- 「幹部候補募集」
- 将来的な話なのか、すぐに責任を負わされるのか。
- 入社してすぐ管理職扱いにされて、残業代が出なくなるケースもあります。
- 役職と実際の業務内容を確認してください。
ただし、これらの表現があるだけで「ブラックだ」と決めつけないでください。
どれも普通に使われる言葉です。
気になったら聞く、というだけの話です。
求人票では、絶対に分からないこと

ここが大事なところです。
求人票にどれだけ目を通しても、次のことは分かりません。
- 上司や同僚の人柄
- 職場の雰囲気、ピリピリしているかどうか
- 実際に休みが取れるか
- 残業を断れる空気があるか
- ミスをしたとき、どう扱われるか
- 教育してもらえるか、放置されるか
そして、しんどい職場かどうかを決めるのは、たいていこちらです。
給料や休日の数字が普通でも、この部分が合わなければ続きません。
だから、面接で確認する必要があります。
次から、そのまま使える質問文を書きます。
面接で聞く、8つの質問

質問すること自体は、まったく失礼ではありません。
むしろ「長く働くつもりで考えている人だ」と受け取られます。
そして、答えられるかどうかで、その会社が分かります。
具体的に答えられる会社は、数字を把握しています。
ごまかす会社は、把握していないか、言いたくない事情があります。
① 残業について
「残業は、月にどのくらいでしょうか。配属予定の部署の実績を教えていただけますか。」
「部署の実績」と聞くのがポイントです。
会社全体の平均ではなく、自分が働く場所の数字が知りたいからです。
② 固定残業代について
「固定残業代は何時間分でしょうか。それを超えた分は、別途支払われますか。」
ここは絶対に確認してください。
曖昧な答えなら、書面で確認させてもらってください。
③ 有給について
「有給休暇は、どのくらい取得されている方が多いですか。」
「取れます」ではなく、実際にどのくらい使われているかを聞きます。
④ 辞めた人について
「直近1年で、この職種の方は何名くらい入社されて、今何名残っていらっしゃいますか。」
これが一番効く質問です。
数字で答えられる会社は、人の出入りを把握しています。答えにくそうにする場合、そこに事情があります。
⑤ 教育について
「入社後は、どのような流れで仕事を覚えていくことになりますか。指導担当の方はつきますか。」
未経験や異業種から入る場合は、必ず聞いてください。
「見て覚えてもらいます」という答えなら、教育の仕組みがないということです。
⑥ 1日の流れについて
「入社したら、1日はどんな流れになりますか。」
業務内容を具体的に知るための質問です。
ここで説明が曖昧なら、仕事の中身が固まっていない可能性があります。
⑦ 評価について
「昇給や評価は、どのような基準で決まりますか。」
基準が答えられない会社は、上司の主観で決まっている可能性があります。
⑧ 最後に、逆質問の時間で
「差し支えなければ、この職場で働く上で、大変な部分も教えていただけますか。」
この質問への答え方が、いちばん人柄が出ます。
正直に大変な部分を話してくれる会社は、入ってからのギャップが小さくなります。
「特にありません」と言い切る会社のほうが、むしろ心配です。
前の職場でつらかったことを、そのまま質問にする

これが、一度消耗した人にとって一番効く方法です。
あなたが前の職場で何がつらかったか。
それをそのまま質問に変えてください。
| つらかったこと | 面接で聞く質問 |
|---|---|
| 夜勤で体を壊した | 夜勤は月に何回くらいですか。日勤のみの選択肢はありますか |
| 上司に詰められた | 業務の指導は、どういう形で行われますか |
| 休みが取れなかった | 急な休みが必要なとき、どう対応されていますか |
| 人手が足りず回らなかった | この部署は今何名で、増員の予定はありますか |
| 何のためか分からない業務が多かった | 1日の中で、この職種の主な業務は何になりますか |
| 持ち帰り仕事があった | 業務は、勤務時間内で終わることが多いですか |
あなたが前の職場で経験したことは、次を選ぶための材料です。
つらかった記憶は、無駄になりません。
同じ地雷を踏まないための地図になります。
エージェントを使うと、聞きにくいことを聞けます

ここまで書いてきた質問には、ひとつ問題があります。
面接で聞きにくい、ということです。
特に、「辞めた人は何人ですか」「残業の実態は」といった質問は、印象が悪くなるのではと心配になります。
実際には失礼な質問ではないのですが、聞きづらい気持ちは自然なものです。
そこで、エージェントを使うと変わります。
エージェントの担当者は、あなたの代わりに企業へ確認できます。
しかも応募する前の段階で聞けます。
- 「この求人の残業の実態はどうですか」
- 「この職種は、直近で人の入れ替わりがありましたか」
- 「固定残業代の時間数を確認してください」
これを応募前に確認できるのは、自分で応募する場合との大きな違いです。
求人票の情報だけで応募して、面接で初めて実態を知る——という流れを避けられます。
そして、担当者が答えられるかどうかも判断材料になります。
すぐ答えられる担当者は、その会社をちゃんと見ています。
「確認します」と言って調べてくれるなら誠実です。
「そこまでは分かりません」で終わる場合は、判断材料が足りないということです。
前の職場でつらかったことを担当者に伝えておくと、そもそもそういう会社を除いて紹介してもらえます。
これは自分で求人を探す場合にはできないことです。
経歴に自信がない20代なら、既卒・フリーター・中退・高卒も対象にしている第二新卒エージェントneoが使いやすいサービスです。
紹介する会社について、労働環境を確認したうえで扱う方針を掲げています。
※18〜29歳対象。ただし、確認は人の手で行われるものなので完全ではありません。
基本給・固定残業・年間休日の3つは、最後は自分の目でも確認してください。
くわしくは第二新卒エージェントneoの評判を検証した記事にまとめています。
内定が出た後にも、確認できます

内定をもらったら、それで終わりではありません。
内定が出ると、労働条件が書かれた書面(労働条件通知書など)が示されます。
ここで、面接で聞いた内容と食い違いがないかを必ず確認してください。
確認するのは、この5つです。
- 基本給の金額(固定残業代が含まれていないか)
- 固定残業代の時間数
- 勤務時間と休憩時間
- 年間休日の日数
- 配属される部署と、仕事の内容
口で言われたことと書面が違う場合は、その場で確認してください。
「聞いていた話と違う」と気づいたら、入社前に解決しておくべきです。
そして、書面がなかなか出てこない場合も注意です。
労働条件を示すことは、会社に求められていることです。
不安な点や、明らかにおかしいと感じることがあれば、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど、無料で相談できる窓口があります。
一人で判断しなくて大丈夫です。
職種別|特に見ておきたいところ

働く分野によって、確認すべき点が少し変わります。
看護・介護・保育など、シフト勤務の場合
いちばん大事なのは、人員の配置です。
求人票には出てきませんが、夜勤帯が何人体制かで、仕事のきつさはまるで違います。一人で対応する体制と、複数人いる体制では、負担が別物です。
聞くとよい質問は、この3つです。
「夜勤帯は、何名体制でしょうか。」
「利用者さん(患者さん)は何名を、職員何名で見る形になりますか。」
「シフトは、いつ頃確定しますか。」
3つ目は地味ですが、生活の組み立てに直結します。
前月の中旬に確定する職場と、月末ぎりぎりに出る職場では、予定の立てやすさが全然違います。
そして、この分野では施設の種類を変えるだけで、負担が大きく変わります。
夜勤がつらいなら日勤だけの職場がありますし、身体的な負担が理由なら、介護度の低い施設という選択肢もあります。
同じ仕事を続けながら、環境だけ変えられます。
営業職の場合
確認すべきは、目標の決まり方です。
「目標はどのように設定されますか。達成率は、どのくらいの方が達成されていますか。」
誰も達成できていない目標が設定されている職場は、常に詰められる環境になりがちです。
逆に、多くの人が達成できているなら、現実的な設定だということです。
もうひとつ。
「移動や訪問の時間は、勤務時間に含まれますか。」
外回りが多い職種では、ここが曖昧なままだと実質的な労働時間が長くなります。
事務・オフィスワークの場合
「その他付随する業務」という記載に注意してください。
求人票の仕事内容の最後に、この一文があることがあります。
範囲が決まっていない仕事が積み上がる可能性があります。
「主な業務のほかに、どのような仕事をお願いされることが多いですか。」
この質問で、実際の業務範囲が見えてきます。
未経験で入る場合
教育の中身を、必ず確認してください。
前にも書きましたが、「研修あり」だけでは何も分かりません。
何日間で、誰が教えて、その後どうフォローされるのか。
ここが曖昧な職場に未経験で入ると、放置されて3ヶ月で辞めることになりかねません。
よくある質問

Q. 面接で残業のことを聞くと、印象が悪くなりませんか?
なりません。
長く働くつもりで確認している、と受け取られるのが普通です。
むしろ、聞かれて不機嫌になる会社なら、その反応自体が答えになります。
Q. 口コミサイトの評価は信用できますか?
参考にはなりますが、書き込むのは不満を持った人が多いという傾向があります。
極端な内容だけで判断せず、複数の情報と合わせて見てください。
Q. 固定残業代がある会社は、避けたほうがいいですか?
一概には言えません。
時間数が妥当で、超えた分がきちんと支払われるなら、問題ない仕組みです。
問題なのは、時間数が多すぎる場合と、超過分が支払われない場合です。
Q. 求人がずっと出ている会社は、やめたほうがいいですか?
理由を確認してください。
事業を広げている場合もあります。
ただし、同じ職種で常に募集しているなら、辞める人が多い可能性は考えたほうがいいです。
Q. 面接で質問できる時間が短かった場合は?
エージェント経由なら、後から担当者を通じて確認できます。
自分で応募した場合も、内定前にメールで問い合わせることは可能です。
Q. 入ってみないと分からない、という意見もあります。
その通りです。完全には分かりません。
ただ、確認できることを確認しておけば、外れる確率は下げられます。
ゼロにはできませんが、減らせます。
Q. 中小企業はブラックが多いのでしょうか?
規模と労働環境は、必ずしも結びつきません。
大きい会社でも部署によってきついところはありますし、小さくても働きやすい会社はあります。
会社の規模ではなく、確認できる数字で判断してください。
Q. 一度ブラックな職場に入ってしまったら、また同じことになりますか?
なりません。
前回つらかったことを具体的に言葉にできていれば、それを避ける条件で次を選べます。
経験は無駄になりません。
Q. 入社してから「思っていたのと違う」と気づいたら?
条件が明らかに違う場合は、まず会社に確認してください。
改善されない場合、労働局の相談窓口に相談できます。
そして、無理に耐え続ける必要はありません。
Q. 求人票のどこを最優先で見ればいいですか?
基本給(固定残業代の内訳)、年間休日、残業時間の3つです。
この3つが自分の希望と合わないなら、他がどれだけ良く見えても、続けるのは難しくなります。
まとめ|確認できることは、確認しておく
整理します。
- 求人票の言葉ではなく、数字を見る
- 給料は内訳を確認。固定残業代が何時間分か
- 「週休二日制」と「完全週休二日制」は違う
- 求人票では、職場の雰囲気や人間関係は分からない
- 面接で聞けば教えてもらえる。 聞くこと自体は失礼ではない
- 前の職場でつらかったことを、そのまま質問に変える
- 内定後の書面で、聞いた内容と食い違いがないか確認する
しんどい職場を完全に見分ける方法は、残念ながらありません。
でも、確認できることを確認しておけば、外れる確率はかなり下げられます。
そして、一度つらい思いをした経験は、次を選ぶための材料になります。
何がきつかったのかを覚えているなら、それを避ける質問ができます。
あの経験は、無駄ではありません。
どのサービスを使うか迷う場合は、20代・未経験の転職エージェント比較で整理しています。
「次も同じだったらと思うと、動けない」あなたへ

一度しんどい職場を経験すると、次を選ぶこと自体が怖くなります。
それは慎重さであって、弱さではありません。
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